「皮脳同根(ひのうどうこん)」という言葉をご存知ですか?
この言葉は、皮膚生理学の授業の最初に教わった言葉です。
「皮膚は発生学的に神経と同じ成り立ちをしているため、精神状態に左右されやすい
性質がある」という意味です。
受精卵は細胞分裂して胚が形成され、その胚から体を形成するさまざまなものが作ら
れていきます。胚には外胚葉、中胚葉、内胚葉があるのですが、表皮と神経は同じく
外胚葉からできます(ちなみに、真皮は中胚葉由来です)。
「皮脳同根」はそこからきているのですが、わかったような、わからないような。
「表皮が精神状態の影響を受けやすいってどいういうこと??」というのが正直な
感想でした。
それが、やっとそれを説明してくれるような本に出会いました!
傳田光洋先生の「皮膚は考える」です。
これによると、表皮には、脳神経がもつ情報伝達物質を受け取る受容体と同じものが
あるのだそうです。あの死んだ細胞(角質細胞)の集まりにです!
(表皮はもう少し下までですね^^;)
傳田先生は、表皮のバリア機能に関する実験をいろいろ行われています。
例えば、バリア機能を破壊して神経伝達物質を塗り、バリア機能の回復具合をみると
いった実験です。
アドレナリン ⇒バリア機能の回復 阻害
ドーパミン ⇒バリア機能の回復 促進
セロトニン ⇒バリア機能の回復 促進
メラトニン ⇒バリア機能の回復 促進
幸せ系はバリア機能の回復を促進する! ひとりでワクワクしてしまいました(笑)
「皮膚は脳である」というのは、なんとなく納得です。